ダイエット

縮む日本人の身長…「妊婦のダイエットで低身長」のメカニズム解明

日本医科大学の研究チームは、妊娠中の母親のダイエットによって、子どもの成人後の身長が低くなるメカニズムを解明したと発表しました。
これまで、妊婦がダイエットをすると、生まれたときの体重が2,500gに満たない「低出生体重児」が生まれる可能性が高まり、また、そのうちのおよそ10%が、成人後も成長が追い付かず、低身長になることがわかっていました。

日本医科大学の研究チームは、その低身長のメカニズムを解明し、さらに、その影響は、孫、そしてひ孫、さらには玄孫の代まで及ぶことがわかったといいます。
研究チームが、ラットを用いた実験でつきとめた低身長の要因は、肝臓に現れる、miR-322という遺伝物質です。
妊婦のダイエットによって低身長となった子は、miR-322が多く現れ、これによって体内で成長ホルモンの伝達がうまくいかなくなり、身長の伸びが阻害されているといいます。
さらに、たとえその後の世代の親がダイエットをしなくても、
少なくとも玄孫の代までmiR-322が多く現れ、低身長になることがわかったとのことです。

なお、国立成育医療研究センターによりますと、日本では、低出生体重児が生まれる割合が、生まれ年で1980年ごろから上昇に転じ、それに伴い、成人後の平均身長が低くなっているといいます。

日本医科大学の研究チームは、今後の研究によって、「成長を促進させる治療法が開発される可能性もある」としています。

引用元:
Takahiro Nemoto & Yoshihiko Kakinuma, Fetal malnutrition-induced catch up failure is caused by elevated levels of miR-322 in rats
https://www.nature.com/articles/s41598-020-58392-x
低出生体重児で成長が追いつかず低身長が生じる機序を解明―低出生体重児の成長予測マーカーとしての応用に期待―
https://www.nms.ac.jp/var/rev0/0022/8209/pr.pdf
日本人の平均身長は低下傾向。低出生体重児増加が影響している可能性あり
https://www.ncchd.go.jp/press/2017/adultheight.html

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